決算シーズンが始まっているが、なかなか思うように進んでいない。
忙しいと理由をつけているが、決算短信を見ていくのは、ハッキリ言って苦行だ(笑)
しかも、年齢のせいもあって小さな字が見えづらくなってきている。これはかなりつらい。目の疲労感が半端ない。
愚痴を言っても始まらないので早速始めてみようと思う。今回の決算を見ていく企業はイオンフィナンシャルサービス(8570)だ。
目次
買収先の不適切会計で決算延期したイオンFS
イオンFSの第1四半期決算は、7/11の予定だったが、買収したベトナム企業で不適切な会計処理が発覚したため、7/31に延期するという発表があった。
これによって、イオンFSだけでなく親会社のイオンも決算を延期することになった。
この発表で株価も1284.5円まで下落した。私も株を持っていたがこの下落で少しだけ買い増しをしました。
実は、このニュースが出たときに、イオンの株が5%近く下がったのでイオン株を買ったときについでに買いました。
しかし、ここの株価、不適切会計という見出しに似合わずあまり株価は下がらなかった印象!
「不適切会計」なんて文言を見ると、株価なんて急落すると思うのだがそれほど下がらなかった。
親会社のイオンなんかは5%超下がったのにイオンFSは3~4%くらいしか下がっていなかった。
あまり下がらなかったワケ(あくまで予想)

なぜ、イオンFSの株価はそれほど下がらなかったのか?いくつか理由は考えられるのだが、思いついたのはこの2つだ!
- 不適切会計の程度が軽微
- 仮に問題だったとしても親会社のイオンが買収する(非公開化する)
特に2つ目のほうが大きかったのではないかと思う。1つ目の方は、ベトナムの会社ということもあり、正直私もわからない。
すぐに思いつくのは2つ目で、何かあっても親会社のイオンがなんとかするだろうとタカをくくっていた可能性が高い。そして、それが株価の下支えになったように思う。あくまで、妄想のレベルだけど・・・。
本日公表された決算内容について
そして、7月31日になり、イオンFSから第1四半期決算が公表されたので見ていこうと思います。
本日公表された決算短信から数字を抜粋すると下のようになります。
第1四半期 | 前年同期比 | |
営業収益 | 136,555百万円 | 6.7%増 |
営業利益 | 12,998百万円 | 14.8%減 |
経常利益 | 13,853百万円 | 13.3%減 |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 4,357百万円 | 28.4%減 |
営業収益こそ増収となったものの、それ以下の各段階利益は減益となりました。特に親会社株主に帰属する四半期純利益は28.4%減と大きく落ち込んでいます。
減益の主な要因としては、国内金利情勢の変化に合わせた保有資産の入れ替えや銀行預金利息の増加に伴う金融費用の増加が挙げられています。
2026年2月期業績予想と配当については据え置き
通期の業績予想は据え置かれており、増収ながら営業利益・経常利益は減益、親会社株主に帰属する当期純利益は増益を見込んでいます。
- 営業収益: 5,700億円(前期比6.9%増)
- 営業利益: 570億円(前期比7.3%減)
- 経常利益: 570億円(前期比8.9%減)
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 210億円(前期比7.5%増)
- 1株当たり当期純利益 (EPS): 97.28円
また、配当の状況については、前期は年間配当金が53円でしたが、今期の予想年間配当金に関しても前期と変わらず年間53円を維持する方針というのが書かれていました。
業績予想もそうであるが、年間配当金についても据え置かれたのは朗報だと思う。
長期で保有を考えている投資家にとっては、決算後に株価が下がって配当利回りが上がれば買い増しのチャンスが来る!
正直、今回の不適切会計で下方修正も覚悟していたので据え置きというのは個人的にはポジティブな印象を受けた。
ベトナム子会社の買収元とは和解!

今日の決算発表時には、買収元のシーバンクとは和解したとの発表があった。
詳しい経緯はわからないが、和解したということで、25年2月期の有価証券報告書と決算短信を訂正した。貸倒引当金の追加計上とPTFののれんの減損損失で、同期の連結純利益は156億円となり従来発表から38億円の下方修正となる。
前向きに捉えるとすると、今回の訂正と下方修正で悪材料出尽くしの状態になったのではないかと思う。
イオンの金融子会社、イオンフィナンシャルサービス(FS)は31日、買収したベトナム子会社で発覚した不適切な会計を巡り、買収元の現地銀行と和解したと発表した。協議を重ねるなかで買収元が不適切会計を把握していなかったことを確認した。主張していた買収の無効は取り下げる。
今回の決算での注目ポイント
最後に、今回の決算での個人的な注目ポイントについていくつかまとめておこうと思う。
まず一つは、不適切会計の和解によってこの問題は一区切りついたということ。不適切会計という見出しで不安になっていたことが解消されたことは大きいと思う。そして、何より買収元のシーバンクとは和解しているというのが良いと思う。これが相手と訴訟になっていたらネガティブな印象になっていたと思う。
そして次に、通期業績の見通しと配当の据え置きだ。25年2月期の決算を修正したが、今期の通期予想は据え置かれている。これはつまりまだ第1四半期だし、残りで十分取り返せると会社側は見込んでいると思われる。難しい経済状況だけどそれでも下方修正するほどではないというのはプラスなのだと思う。それに加えて、配当についても年間配当を維持する方針を打ち出したのはポジティブだと思う。今の株価水準だと配当利回りは4%近い水準で、明日以降どうなるのかわからないが、株価が下落するようなら4%台の配当利回りも狙えると思う。
そして、最後になるが、グローバル戦略とデジタル化の推進だ。WAONとAEON Payの融合による決済チャネルの利便性向上、マレーシアでのデジタルバンク事業、タイでのAIボイスボット活用による生産性向上など、国内外でのデジタルを活用した新たなビジネスモデル構築に引き続き取り組んでいます。これらの取り組みが今後の収益にどのように貢献するかがカギとなると思う。


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