2025年8月8日に第1四半期の決算が公表されました。
雪印メグミルクの決算は、場中決算のため、発表当日に株価が大きく動くことが多いです。
特に発表後は上下に大きく動き、今回も発表後に大きく下落し、一時は5%超下落しました。
下落するほどの決算だったのかどうかを自分なりに解釈するために決算内容を見ていこうと思います。
売上は横ばい減益決算:上期は広告宣伝費先行で費用増

さて、雪印メグミルクの決算について見ていきましょう。金曜日の株価の下落を見ているだけに悪いのだろうなという先入観から入ってしまうのは仕方がない。
売上高は前年同期比0.0%減の1,523億9,500万円、営業利益は34億7,600万円(前年同期比39.7%減)で、経常利益は43億円(前年同期比32.4%減)でした。親会社株主に帰属する四半期純利益は、主に政策保有株式の売却益により89億7,600万円(前年同期比70.2%増)となりました。
売上が横ばいで、減益決算だとまぁ、売られるかというのが第一印象でした。価格改定をしているので、売り上げが横ばいということは販売数量は減少していることがわかります。
前年同期比に比べて、売り上げが横ばいだった要因としては、前期の一過性の物量増の反動や2~3月に行った価格改定による販売減の影響が想定以上の落ち込みだったと説明会で語られています。
コスト面については、元々プロモーション費用や100周年のイベント費用などで費用増を元々想定していたとのことでこの部分は、将来の販売増にも直結するので一概に悪いとは言えないと思います。何にしても将来への種まきをしていると解釈するのがよさそう。
説明会の資料で分からないのは、7,8月の価格改定でキャッチアップするとしているが、価格改定で利益率改善が図れるだろうけど、販売減についてはどうなんだろう?
この点は仕方がないけど、物価高の浸透で時間が解決するかもしれないけど注視が必要
資料を見ていると、今期は上期で広告宣伝費が先行するような説明が目立つので、第二四半期でこれらの進捗についてもしっかり確認していきたいところです。
項目 | 2026年3月期第1四半期 | 増減 |
---|---|---|
売上高 | 152,395百万円 | ほぼ横ばい |
営業利益 | 3,476百万円 | 39.7%減 |
経常利益 | 4,300百万円 | 32.4%減 |
当期利益 | 8,976百万円 | 70.2%増 |
セグメント別の業況

雪印メグミルクのセグメントは以下の通りです。大きく分けて4つのカテゴリーに分けられています。
- 乳製品
- 飲料・デザート類
- 飼料・種苗
- その他(物流センター、不動産賃貸)
乳製品の売上高は639億7300万円(前年同期比2.9%増)でしたが、営業利益は17億4000万円(26.9%減)でした。バターや油脂は好調でしたが、チーズが価格改定の影響で販売減が響いたようです。
飲料・デザートの売上高は、売上高は655億1,500万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は6億4,400万円(前年同期比73.7%減)でした。飲料全体では売上が減少しましたが、ヨーグルトは売上を伸ばしました。色物飲料で一部商品の撤退や原料高が続く天然果汁の価格改定も影響しているようです。
飼料・種苗の売上高は132億800万円(前年同期比1.2%減)でしたが、原価低減により営業利益は5億9,800万円(前年同期比53.5%増)となりました。飼料は減収、種苗の方は増収となりました。営業利益は飼料原料価格が落ち着いていること、種苗事業の販売数量増により増益を確保!
その他の売上は、売上高は96億9,800万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は4億5,600万円(前年同期比10.7%減)でした。
業績予想に変更はなく、自社株買いの進捗も計画通り
2026年3月の連結業績予想については、変更はなく、通期の売上高は6,400億円、営業利益は190億円、経常利益は206億円、親会社株主に帰属する当期純利益は300億円を見込んでいます。当期純利益の予想には政策保有株式縮減に伴う投資有価証券売却益を245億円見込んでおり、本業の純利益は差し引き55億円です。
前期はたしか84億9000万だったので前期と比べるとかなり下駄を履いていると思います。これが株主還元の原資になっていると考えられますね。
配当予想についても変更はなく、年間配当金100円を下限としています。そして自社株買いの進捗にも触れ計画通り進んでいるとのこと。
自己株式の取得の進捗に関してはIRで出してほしいところです
あと、株主優待についても検討してほしいなというのが本音です。
自社製品の普及にも一役買うはずなので前向きに検討してほしいところです。
おわりに:決算を見た後の個人的な所感
さて、今回は雪印メグミルクの第1四半期決算について見ていきました。
今期は上期に100周年イベントの費用や各種プロモーションなどで広告宣伝費を多く計上していることもあって元々減益を見込んでいるようです。
価格改定による販売減が会社の想定よりも落ち込んでいる点は、少し気になります。第2四半期以降もこの価格改定の影響に左右されるように感じました。
売上高が、価格改定を行っているにもかかわらず、トントンなので、これが相当な販売減なのか、それとも前年の第1四半期の期ズレの影響なのかを見極めないといけないかなと感じました。
それにしても、個人的にはこの決算で5%近く売られるのは少し納得できません。そんなに悪い決算ではないと思うのですが・・・。
また、政策保有株の縮減の一環で、保有株式を結構なペースで売却しています。縮減している株が上場株式であれば昨今の株高でかなりの売却益になっていそうです。このことからも株価の下支えにはなるのではないかとみています。

株探から雪印の株価や指標面を見ていると、時価総額は2000億円以下で、PBRは0.76倍でPER5.9倍、配当利回りも3.56%になっています。
金曜日の株価下落で、配当利回りが3.5%を超えてきました。自社株買いの進捗がよく見えないですが予定通り進捗しているということなので今後もまだ買われることを考えると、株価はいずれ持ち直してくれるのではないかとみています。
2800円を割り込んで下落しているなら、買い増しも検討したいところです。他のメーカーと比べるとまだ割安なのかなと思います。明治や森永乳業なんかとの指標面での比較になりますが・・・。
そこまで悪い決算ではないので株価はしばらくすれば戻すように思います。なので、中長期での保有であればなかなかいい投資なのではないかと思います。
あくまで個人的な所感なので、投資する際にはご自身の判断でお願いします。それでは今日はこの辺で。。。

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