こんばんは。2024年から新NISAが始まり、もうすぐ1年が経とうとしています。
新NISAの非課税期間は無期限となっており、また非課税枠についても1年経てば復活するという制度です。
しかし、旧NISAは一般、つみたて共に非課税期間が決められていました。一般NISAは5年でつみたてNISAは20年です。
旧NISA制度での一般NISAについては、5年の非課税期間が終われば、ロールオーバー(移管)することができていました。
2024年から始まった新NISA制度の開始により、ロールオーバーすることができなくなったので、非課税期間のうちに売却したほうがいいのか?
という疑問が出てきます。今日はそれについて考えてみようと思います。
ロールオーバーとは何?
まずは、ロールオーバーについて簡単におさらいしておこうと思います。新NISAと違い、旧NISAにはそれぞれ非課税期間が一般なら5年、つみたてなら20年と決められていました。
そのうち一般NISAについては、この非課税期間が終了したときに、それをどうするのか決めることができました。
ロールオーバーとは、NISA口座の非課税期間が終了した後に、金融商品を翌年の非課税投資枠へ移管することを言います。
今までは、一般NISAで購入した銘柄を引き続き非課税枠で運用する場合にはロールオーバーすればよかったのですが、このロールオーバーについて新NISA制度が始まることもあり、できなくなりました。
ちなみにつみたてNISAについては、ロールオーバーはありません。
非課税期間終了するとどうなるの?
非課税期間が終了するとどうなるのか?
非課税期間が終了すると、旧NISAで保有している株や投資信託などは自動で課税口座に払い出しされます。
特定口座を開設している人は特定口座へ、一般口座を開設している人は一般口座へ払い出しされます。
課税口座に払い出されると、払い出されたときの価格が税制上の取得価格になり、それ以降の売却についてはその取得価格で課税額が計算されます。
例えば、2020年に500円で買った株が、2024年末に1,000円になった状態で一般NISAの非課税期間を終えると、その株の取得価格が500円ではなく1,000円になってしまいます。
つまり、非課税期間終了のタイミングで取得価格が変わる可能性があります。その為、売却するときの課税金額が変わってくる可能性もあるので注意が必要です。
非課税期間中に売却しておくのも手
旧NISAの一般NISA枠では、非課税期間が5年となっています。2020年から始めた分は今年で終わりを迎えます。
このまま非課税期間が終了すれば課税口座へ自動的に払い出されることから、非課税期間中に売却して利益確定するのも一つの手かと思います。
売却して売却益(譲渡益)が出る状態なのであれば、2024年に売却すれば、売却益が出ている場合は非課税になります。
2025年になってから売却すると、2024年12月末の価格が新しい取得額となり、そこと売却時の価格の差額が売却益または売却損となります。
そして、売却益については、課税されます。旧NISAの一般NISA枠での資金をそのまま新NISAでの運用を考えている人にとっては今年中に一旦売却して非課税で利益を確定しておき、売却した資金を新NISA枠へ放り込んだ方がいいかもしれません。
非課税期間中に利益確定しておき、その資金で新NISAの成長投資枠を埋める作戦です。
今の価格で売却すると売却損が生じる場合はそのまま課税口座へ払い出されるのを待つ方がいいかもしれません。
NISAは、売却損については損益通算ができないからです。これは新NISAでも同じです。NISA枠では売却損については損益通算の対象になりません。
この場合は、課税口座へ払い出されてから売却して売却損を出すと2025年の他の売却益と相殺する損益通算ができるようになると思います。
また、いつまでに売却すれば2024年の取引となるのかについても注意が必要です。
国内株式であれば、2024年12月26日の15時半まで。
米国株式については、2024年12月25日の日本時間午前3時まで
投資信託については、受渡日が6営業日のファンドの場合は、2024年12月23日の15時半まで
特に、投資信託はファンドによって受渡日が違っているケースがあり、注意が必要です。
記事のまとめ
旧NISAの一般NISAについて非課税期間が終わるまでに売却したほうがいいのかどうか考えてみました。
2020年から一般NISAで始めた方については、今年が非課税期間の最後の年になります。
旧NISAの一般NISA枠は今はもうロールオーバーできないので、売却益がでているのなら、一旦非課税期間中に売却して売却益を非課税で利益確定するのも手だと思います。
逆に一般NISA枠で現在含み損であればそのまま課税口座へ払い出されるのを待つ方がいいと思います。
あくまで税金がかかる、かからない、または損益通算ができる、できないという非課税を利用するという観点からの一つの意見として見ていただければと思います。
この辺りの税制上のルールに関してはややこしいですので、しっかりと調べたうえで考えたいですね。
税金ってややこしいですよね・・・なるべく非課税のルールを最大限に活用して資産形成をしたいものです。
参考になれば幸いです。